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映画 スタンリーのお弁当箱

インドの小学校、子供たちのいきいきとした目の表情はみているだけで、
微笑ましく、待ちに待ったお昼じかん、それぞれのお弁当がひろげられて、
でも、スタンリーくんのお弁当は……いつも元気、おどけているのに。

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どうやらお弁当をもってきてないスタンリーくん、いろいろ言い訳して
それを悟られないようにしてるけれど、バレバレで、でも、お友だちはみな
さりげないやさしさで、じぶんのお弁当をすこしあげたり、どうも様子が
おかしいとおもったら、ちゃんと理由もきいてあげて、解決策をかんがえて。

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子供といっても、学校は立派な社会ということが、すごくよく実感できて、
というのも、スタンリーくんの身の上を、個人的なこととして心配すると
いうよりも、あたりまえに自分たちの問題として、受け止める姿勢が、
とてもスマート、誰かのもの、という私有の概念さえ、打ち負かすようで。

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なのに、意地きたないオトナがいたりして、タカリとかネズミとか乱暴に
非難して、ていうかこの先生じしん、職場でもうんざりされる、トンデモ
教師なのだけれど、語られないその理由、気になってしまうほど、もしや
スタンリーくんに、わが身を投影して、みじめな気分に? 謎だけれど。

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でもそんな、いやなオトナばかりではもちろんなくて、マドンナのように
慕われている、やさしい美人の先生は、あらゆる問題ごとを、おもいやりで
解決しようとする、みんなの心のよりどころ、相手が子供でも、まず言い分を
聞いてあげる対応に、気持ちがほどけることは、たしかにあるかも。

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窮地に立たされてしまったスタンリーくんも、いつも気づかってくれる
お友だちのアドバイスで、自分の居場所をみつけることが、できたりして、
自分にもなにかができる、誰かにみとめられる、それこそが、いちばんの
よろこびなのかもしれませんよね、誰かに愛されているという実感。

せつなかったお弁当問題も、なんとかうまく解決できることになりそうだし、
そして、そのお家の事情、たぶん校長先生は知ってそうだけれど、でも余計な
おせっかいはしない、それぞれ厳しい事情を抱えているのはあたりまえとでも
いうような、さりげないフォローしみじみ、スタンリーくん、がんばって。

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映画のはじめとおわりに、その制作の背景にまつわるコメントがあるのですが、
子供たちがおかれている環境をまず第一に配慮した様子がつたわってきて、
インドでの就労児童が多いことに、驚かされ、けれど、社会があたたかければ、
そんな社会とかかわりながら、自分なりに努力ができれば、幸福になれそうな。

ところで、トンデモ教師を演じたのは監督さんで、スタンリーくんのお父さん、
遠慮しないで演技できるから、だったんでしょうか。

ジョイランドシネマ沼津にて、8月

スタンリーのお弁当箱 公式サイト

by habits-beignets | 2013-08-06 23:06 | シネマのこと | Comments(0)

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