映画 タイピスト!

ちいさな田舎の雑貨店にひっそり置かれたタイプライター。
たいせつそうにそうっと抱えて、運ぶ、少女は愛らしく、そして、
なんとも色鮮やかなアニメーションのオープニングは楽しくて!

b0209183_1782348.jpg

どこかなつかしい、たとえば子供のころテレビでみた「奥様は魔女」っぽい
雰囲気の、あかるくはじける音楽にのって、あらわれる登場人物たちは
ポップな漫画で描かれるような、キビキビした表情とうごき、時代は50年代
場所はフランス、ともかくファッションがすてき、着せ替え人形をみてるよう。

b0209183_1773989.jpg

秘書募集の貼り紙にあつまってきた、びしっときめてきた女性たちのいでたち。
ウエストをキュッとしぼって、ふんわりのスカート、あるいは先細りのタイト、
おしゃれの基本はリボン、くっきり色鮮やかなワンピースやスーツは、どこか
「それいゆ」の中原淳一の世界が思い起こされて、うれしくて見とれてしまう。

b0209183_1784645.jpg

一本指で猛烈ないきおいで、タイピングしまくる女の子がまた、とびきり
キュート、天然で不器用な彼女を、秘書としては最低とこきおろしながらも、
息があがるほど夢中になって、キーを打つ才能をみそめて、上司が猛特訓を
はじめる、というプチスポ根のエッセンス含みの物語は、王道のラブコメに。

b0209183_179511.jpg

ドジで引っ込み思案の田舎の女の子だとおもってたら、意外に大胆だったり、
いかにも堅物の上司に、せつなく悲しい過去がかいまみられたり、彼らの
感情の機微が、タイピングのトレーニングに彩りをそえて、順調だったり
暗礁に乗り上げたり、希望に輝いたり、絶望に突き落とされたり、の起伏に。

b0209183_1793872.jpg

けっこう早いなあとおもわれた展開も、途中予想外の問題に突き当たって、
恋の苦悩、愛するがゆえの選択のやるせなさが、物語の奥行きをひろげて、
相手のしあわせを真剣に願うきもちって、難しいですよね、その表現が、
「こわい」という台詞に、「みんなそうよ」答えるやさしさが、身にしみて。

b0209183_1795697.jpg

ラストの大劇場は、これまでの特訓の成果、恋の逡巡の落とし前が花ひらき、
タイピングする彼女のゆたかな表情に、それはありありと浮かびあがって、
華やかなショーの舞台と、温もりに満ちたこれまでとのコントラストは、
まぶしくて、新式のピンクのタイプライターよりも大切なものの気配が。

b0209183_1710168.jpg

この作品を撮るにあたって、主演女優は、ヘップバーンの映画をたくさん
観るように指示されたとか。そういえば彼女へのオマージュに満ちている
ような。舞台のうえとしたとの視線のぶつかりは『ローマの休日』ぽく。

シネプラザサントムーンにて10月

タイピスト! 公式サイト
[PR]

by habits-beignets | 2013-10-21 17:24 | シネマのこと | Comments(0)

『マッピー』用ボーダー

<< 映画 ベニシアさんの四季の庭 映画 サウンド・オブ・ノイズ >>