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映画 ダラス・バイヤーズクラブ

追いつめられて初めて、悟るというか自分のやるべきことが、
はっきりくっきり見えることが、たしかにあるような気がします。
そのために情熱をそそぐことを、惜しまない気持ちになることも。

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エイズってそういえば、最初はスキャンダラスな話題っぽかった覚えが、
あたかも同性愛者特有の病気みたいな言われ方で、罹患したら恥だとでも
いうような扱い、そんな拒絶反応からまさか自分が、と絶望したカウボーイが、
否応なく現実に向き合ううち、なにか信念らしきものに突き動かされて。

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とにかく自分で調べる、という姿勢がすばらしいんですが、たしかにそれは
目新しい病気であることや、だれも助けてくれないことから、必然的にとる
しかなかった道なのかもだけれど、その諦めない、凄みさえ感じられる執念は、
生きることそのものの意味を、まさに表現している煌めきでありそうで。

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苦痛と闘いながら、メキシコへと、あるいは、あちこちの国々へと走り、
飛び回る必死さ、失望、悲しみに、倒れそうになりながらも、自らの生への
執念が発端ではあったけれど、次第に、仲間といえる存在のために闘い、
真実と正義に目覚めた身体を、気力で稼働させる姿は、力にみちて。

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けっきょく医療関係者なんて、病気を他人事としてしかとらえていない、
ビジネス優先のあてにならない輩、専門家だからって、権威だからって、
信用してしまっては、たいせつな生命、モルモット代わりに利用されてしまう
だけという恐ろしさ、そこに鉄槌下そうと立ち上がる姿は、せつないほど。

いやほんと、クスリがこわいってのはほんとうらしいですね、ビタミンと
亜鉛を処方、つらい症状は病気じゃなくて新薬の影響だ、という診断に目から
うろこの気分、メキシコの素朴な診療所っぽい場所こそが、真実、健康とは
なにかということを、知らしめてくれたようで、わが身おもわず振り返って。

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オスカーの主演と助演受賞とのこと、そんなのどうでもいいってかんじの
すがすがしさ。

シネプラザサントムーンにて2014年5月

ダラス・バイヤーズクラブ 公式サイト

by habits-beignets | 2014-05-08 21:48 | シネマのこと | Comments(0)

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