映画 イヴ・サンローラン
2014年 11月 24日
Y、S、L、が絡みあった、シンボルマーク、ひと頃よく見かけました。
ファッション通でなくても、シャープでエレガンスな印象あった、ブランド。
弱冠21歳でディオールの後継者に、けれどゴタゴタ、順調にはいかなくて、
というあたりから、当時のファッション界をぐいぐい引っ張ってゆく
立役者たち勢揃い、彼らがつるんではいちゃつく様子が、臨場感たっぷり、
つたわってきて、ベルナール・ビュフェが、カール・ラガーフェルドが。
野望を抱きながらも、それぞれに鬱屈、誰もが一目おく才能をもちながら、
服のデザインはできても、プロデュース的な決断、交渉は苦手、というのは、
芸術家には、ありがちなことだけれど、そんなサンローランと彼を補佐する
者との関係性の重要さ、情熱的な恋愛感情などでは果たせない、繊細な作業。
出発点は芸術、ひとりの人間の感性から、であっても、それが大衆に向かって
商業ベースにという過程には、多くの人間の思惑、手仕事が、当然かかわって、
むろん、お金も必要、ビジネスとしての成功を勝ち取る使命はあるのだけれど、
いっぽう、精神が開放される時間もなければ、センスもよどんでしまうのでは。
遊ばせながらも、手綱を引き締める、天才的なデザイナーを、愛する気持ちと、
嫉妬する気持ち、思いのままにならない苛立ちと、それでも頼られる充実感、
一流ブランドの大番頭として、ともに立ち上げたメゾンを守り抜くことだけを
自らに課したかのような、ピエール・ベルジェの視線が、物語をほろ苦く。
苦手なインタビューに、謙虚な姿勢を示すサンローランと、そんな彼を
咎めるベルジェとの、いざこざが、彼らの人間性を象徴しているらしく、
持てる才能を、自然な現象として受け止め、気前よくほとばしらせる天才に、
むしろ、もったいぶって価値を上げさせようとする、ビジネスマンの目。
葛藤をくり返しながら、刹那で情熱的な恋愛感情が、憎しみもおり混ざって、
濃密で深淵な情念で結びつくほどに、きらびやかな世界のスポットライトの
外側の暗闇では、もがいて苦悩して嘆いて、はげしく反発しつつも、
離れることができない、互いを必要としている事実が、鬱陶しくもあって。
伝統から革新へ、喝采もブーイングも、栄光も堕落も、華奢なからだで
受け止めたデザイナーが全身全霊をかたむけて表現したカタチだと思うと、
ファッションの、奥深さ、物語の気配が感じられて、装うってドラマチック。
シネプラザサントムーンにて11月
イヴ・サンローラン 公式サイト
ファッション通でなくても、シャープでエレガンスな印象あった、ブランド。
弱冠21歳でディオールの後継者に、けれどゴタゴタ、順調にはいかなくて、
というあたりから、当時のファッション界をぐいぐい引っ張ってゆく
立役者たち勢揃い、彼らがつるんではいちゃつく様子が、臨場感たっぷり、
つたわってきて、ベルナール・ビュフェが、カール・ラガーフェルドが。
野望を抱きながらも、それぞれに鬱屈、誰もが一目おく才能をもちながら、
服のデザインはできても、プロデュース的な決断、交渉は苦手、というのは、
芸術家には、ありがちなことだけれど、そんなサンローランと彼を補佐する
者との関係性の重要さ、情熱的な恋愛感情などでは果たせない、繊細な作業。
出発点は芸術、ひとりの人間の感性から、であっても、それが大衆に向かって
商業ベースにという過程には、多くの人間の思惑、手仕事が、当然かかわって、
むろん、お金も必要、ビジネスとしての成功を勝ち取る使命はあるのだけれど、
いっぽう、精神が開放される時間もなければ、センスもよどんでしまうのでは。
遊ばせながらも、手綱を引き締める、天才的なデザイナーを、愛する気持ちと、
嫉妬する気持ち、思いのままにならない苛立ちと、それでも頼られる充実感、
一流ブランドの大番頭として、ともに立ち上げたメゾンを守り抜くことだけを
自らに課したかのような、ピエール・ベルジェの視線が、物語をほろ苦く。
苦手なインタビューに、謙虚な姿勢を示すサンローランと、そんな彼を
咎めるベルジェとの、いざこざが、彼らの人間性を象徴しているらしく、
持てる才能を、自然な現象として受け止め、気前よくほとばしらせる天才に、
むしろ、もったいぶって価値を上げさせようとする、ビジネスマンの目。
葛藤をくり返しながら、刹那で情熱的な恋愛感情が、憎しみもおり混ざって、
濃密で深淵な情念で結びつくほどに、きらびやかな世界のスポットライトの
外側の暗闇では、もがいて苦悩して嘆いて、はげしく反発しつつも、
離れることができない、互いを必要としている事実が、鬱陶しくもあって。
伝統から革新へ、喝采もブーイングも、栄光も堕落も、華奢なからだで
受け止めたデザイナーが全身全霊をかたむけて表現したカタチだと思うと、
ファッションの、奥深さ、物語の気配が感じられて、装うってドラマチック。
シネプラザサントムーンにて11月
イヴ・サンローラン 公式サイト
by habits-beignets | 2014-11-24 23:43 | シネマのこと | Comments(0)