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『マッピー』用ボーダー

映画 シチリア!シチリア!

クライマックスで、思わず拍手をしてしまいました、音をたてないように。
素晴らしいんですよ! 現実とファンタジーの融合というか、世界観が。

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物語は50年におよぶ、三世代にわたっての、貧しかったり、悲しかったり、
ときめいたり、希望をもったり、楽しかったり、いらだったり、といった、
誰の人生にもおこる、さまざまな出来事といえるわけなんですけれど。

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冒頭、コマ遊びに興じている男の子が、煙草を買ってこいと命じられて、
遊びのじゃまをされるところから、物語は始まるのだけれど、砂ぼこり舞う
なかを駆けてくる男の子の躍動感、流れるエンニオ・モリコーネさまの音楽、
まだ何も出来事は起きていないのに、わくわくしてしまって。

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そして、次の場面、でてくるのは、さっきの男の子とはべつの男の子。
おなじように、ものすごい勢いで走っていて、どうやら、この男の子が、
物語の中心人物のような気配。ではさっきの、コマ遊びの男の子は、誰?
それが、監督の思うつぼ。映画を観ているうちに、時空を超えてしまう。

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ひとつひとつのエピソードをつなぐ説明は、あまり丁寧にされません。
けっこう強引な時間の流れ方があったりして、あっというまに何十年か
過ぎてしまうのだけれど、それが、納得できるしゃれた映像のつなぎ方で。

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ファシズムに支配された戦時、終戦後の政治的な対立、貧しい時代から
豊かな時代、あるいは抑圧された時代から自由な時代への変遷。
それが、ある視点から見れば、瞬時に起こってしまった変化なのだと、
映画は、圧倒的な説得力をもって、観ている者に伝えてきました。

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幼い者と老いた者、生きてゆく者と死にゆく者、あるいは、過去と未来、
その境界が、いかに混沌として、線引きが難しく、というか、むしろ
そこには、そもそも、違いなどなく、本来いっしょくたに存在しうべきもの
なのでは、ということが、じんわり感じられてきます。

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たとえば、近しい人が亡くなって、そのひとの思い出にひたるとき、
この映画の時間のとらえ方の感じが、わかるような気がします。
ラストの男の子の笑顔、彼を笑顔にさせたもの、まったく本当に、素敵!

ジョイランドシネマ沼津にて、4月

シチリア!シチリア! 公式サイト
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by habits-beignets | 2011-04-23 01:41 | シネマのこと | Comments(0)

『マッピー』用ボーダー

映画 ハーブ&ドロシー

芸術作品なんてものは、生活に余裕のある一部のひとたちが、道楽として
集めたり論じたりするものというわけでは、決してない!ということを、
このご夫婦は、身をもって示してくださいました。

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小さなアパートに暮らす公務員ご夫婦が、なんでまた高名な芸術家の
作品群を、その部屋いっぱいにするほど集められたのか、というお話
なんですが、要は単純な話、もう、熱狂するほど好きだから、なんですね。
好きで好きで我慢できなくて、手に入れてしまう、なんとしてでも。

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気に入った作品を見つめる、だんなさまハーブの目つきといったら、もう!
まるで獲物をとらえるときのよう、と、誰もが口をそろえて言うのに、納得。
対照的な、おくさまドロシーの、よくよく吟味するような冷静な視線が、
だんなさまとは、また違った、静かな愛情と熱気を伝えてくれます。

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彼らふたりのちいさな体が、精力的に動き回るのにつれて、膨大な数の
アートがかき集められてゆくさまを見ていると、狂おしいほどの愛情と
いうものがもつ、エネルギーの物凄さが、説得力をもって、迫ってきます。
それは、作品を生み出すアーティストの情熱に、引けを取らないのでは?

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芸術って、特別なものではなくて、日々をたいせつに生きてゆく誰もの魂を
潤したり揺さぶったりする、ただそれだけのための不思議なものたちで、
それによって力づけられた者たちが、たがいに、いたわりながら交流して、
それがまた、大きな力を生み出してゆく、情熱の渦の核のようなものなのかも。

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好き、という気持ちに素直にしたがって、猪突猛進をつづけることの、
素晴らしさ、というか、それが何かを育て、豊かな世界を作り上げる力に
なるということを、現実の映像として観ることができて、励まされました。
何かが好き、何かに感動する、という気持ちを大事にして、耳を傾けること!

ジョイランドシネマ沼津にて、4月

ハーブ&ドロシー 公式サイト
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by habits-beignets | 2011-04-18 01:26 | シネマのこと | Comments(0)

『マッピー』用ボーダー