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『マッピー』用ボーダー

映画 ツリー・オブ・ライフ

ふだん、じっさいに見えているものにだけ、囲まれて、あるいは、
つながって、自分は存在しているような気になっているのだけれど、
そうではない、ということが、じわじわ伝わってくる映像の数々でした。

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暗闇にゆらめく光と、なにか尊厳なものに対する語りかけが、物語への
導きとなっているのだけれど、映しだされた光景を眺めつづけていても、
はっきりとした説明はなされず、ただ、ひとびとの悲しみ、苦しみ、
切なさを、推しはかリながら、引きずられるように、傍観するだけ。

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まるで、タイムトラベルでもしているかのような、場面から場面への
ジャンプは、ショーン・ペン演じる、中年となった息子の視点から
とらえられたものなのか、あるいは、確固たる事実として、神の視点が、
私たちに語りかけてくるものなのか、圧倒されるような世界のひろがりで。

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アメリカのどこかの、平凡な家族のなかでの、葛藤やいたわりも、
所詮、神に与えられた苦難や慈愛でしかないのかと、やりきれない
気持ちにさいなまれる一方で、それでも無条件に愛してくれる何者かの
存在を、信じようとする祈りのようなものが、息子の嘆きに聞こえてきます。

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ショーン・ペン、ブラッド・ピットという豪華な顔ぶれが話題になりそうなの
だけれど、じつは彼らが映っている時間は、映画全体のほんの一部のような
印象で。というか、人間ひとりふたりの具体的な悩み事やストーリーなど、
生命のすべての歴史のなかで、縷々として続いてきた事実でしかないのだと。

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キリスト教あるいは聖書に通じていると、かなり入りこめるところが
あるのでは? と推測できる内容であったけれど、それらを知らなくても、
壮大な宇宙、歴史のなかで、自分たちが生かされていることが、感じられます。
誰かたいせつなひとを亡くしたときに感じる、不条理に対する答えとかも。

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ところで、ジェシカ・チャステイン演じる母親の、ワンピースがすてき。

シネプラザサントムーンにて、8月

ツリー・オブ・ライフ 公式サイト
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by habits-beignets | 2011-08-24 19:07 | シネマのこと | Comments(0)

『マッピー』用ボーダー

映画 ソウル・キッチン

なにか、おいしいものが、無性に食べたいのだけれど、
それが何なのかわからない……。そんなときは、こんな映画?!
ドイツの雰囲気あじわえる、大衆食堂ものがたり。

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冒頭は、なにやら胡散くさい雰囲気ぷんぷんなんですけれど。
あまり上等とはいえなさそうな、キッチンとメニュー。
でも、常連のような客たちの反応はまずまずで、雑多な料理の数々も、
どこか懐かしい感じで、素朴でおいしそう。

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ところが、恋人が遠地へ去ったり、わけありの兄が登場したりと、
さまざまな問題がたてつづけに起こって、オーナーのジノスは、
いつのまにやら八方塞がり、挙げ句に腰痛に苛まれて厨房に立てず、
偶然見知った腕利きのシェフを雇うものの、そう簡単にはうまくいかず。

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とはいえ、空回りしていそうだった状況も、情熱のなさるわざか、
運が味方をしてくれたのか、うまい調子に動き出して、でも思わぬ
落とし穴があったりと、七転八倒の連続なのだけれど、レストランが
舞台だと、それがなんとも、リズミカルで楽しげで、深刻でも暗くなくて。

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ドイツのハンブルクが舞台なのだけれど、あまり異国という気がしない。
ちょっと大きめの日本の大衆食堂のようで、親しみを覚えるたたずまい。
廃品の寄せ集めのテーブルと椅子みたいでも、妙に居心地がよさそう。
オーナーが手作りした、と語る、なるほど、魂のキッチンなわけね。

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ともかく、おいしいものを作る男は文句なくかっこよくて、
おいしいものに群がるひとびとは、文句なくいとおしくて、
料理を中心につどう場所は、ささやかな幸福感に満ちていて、
きっと、なくなってはいけないところなんでしょう、誰にとっても。

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主人公を演じたのは、実際にレストランをやってるオーナーだとか。
俳優として、まったく遜色なかったのですけれど、というか充分魅力的。
ウド・キアーが、またしてもちょい出演ながらの存在感、怪優ぶり。

ハリウッド映画とはちがう、ヨーロッパのおしゃれな感じがよいし。
レストラン映画って好きなんです、理屈なく活気があって。
旧作だけど、『ディナーラッシュ』も、面白いです、おすすめ。

シネプラザサントムーンにて、8月

ソウル・キッチン 公式サイト
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by habits-beignets | 2011-08-09 21:58 | シネマのこと | Comments(0)

『マッピー』用ボーダー