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『マッピー』用ボーダー

映画 ふたりのアトリエ〜ある彫刻家とモデル

芸術家と被写体、というと『真珠の耳飾りの少女』をどうしても思い出して
しまうんですが、そこまで濃密なつながりを見いだせない、老人と娘の物語でも
単に「仕事」として対峙する以外の、かすかに魂が共振する刹那的な瞬間が。

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モノクロの画面に映し出されるのは、第二次大戦下のフランスの田舎町。
市場の片隅には、浮浪者のようなひとたちの姿もあって、一見、ものものしい
戦時の印象はあまり感じられないのに、占領され迫害され、国を追われてきた
身の上も、ごく当たりの光景に、不穏な空気がじつは忍び込んでいる気配が。

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そんななかでも、自分の目指す芸術のためだけに、時間と労力をそそぐ
彫刻家のすがたは、食いぶちのために裸体をさらすはめになった、若い娘の
目には、いささか異様で、浮世離れしているようにも映って、それでも、
自らの人生で、最もたいせつなものを、追求する情熱には、感応するようで。

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不動の姿勢をとる合間に、ついはしゃいだり、体をうごかしてしまうモデルに、
彫刻家はいらいらするけれど、その肉体から発散される、生命力のまぶしさに
おもわず息をのみ、目を見はらずにはいられなさそうで、そうした時間の
積み重ねで、互いの気持ちや考えのゆらぎを、つまびきあう、つながりに。

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夜更けに川で水浴びしたり、山道を歩き回る娘の、意外に思慮深くタフな
様子が、月光が描く陰影のあざやかさに浮かび上がって、ときに勇敢に
戦闘にたちむかおうとする言動は、ただ黙って創作にいそしむ老人と対極に
位置していそうだけれど、レンブラントのスケッチには引き込まれ寄り添って。

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神の存在を証明するもの、と彫刻家が語るものに、つまりは彼のすべてが
ありそうで、女性の体に彼がどれほど畏敬の念を抱いているか、男性としての
自分をどのように感じているか、長らくその裸体をみつめ、創造の引き金を
ひいてくれた彼女への、言葉にならない思いがラストの場面いっぱいに。

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画面は白黒なのだけれど、モデルの娘がまとうガウンの質感と絵柄が
なんだか妙に気になるおしゃれな感じ。クラウディア・カルディナーレが
彫刻家の妻の役でものすごい存在感。

ジョイランドシネマ沼津にて2月

ふたりのアトリエ~ある彫刻家とモデル 公式サイト
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by habits-beignets | 2014-02-26 19:54 | シネマのこと | Comments(0)

『マッピー』用ボーダー