映画 マザーウォーター
2011年 02月 09日
ほのぼのと描かれた作品、と思っていると、ちょっと肩すかし、
といったところがあるかもしれません。

街並の風情、お店の雰囲気、登場人物たちの出で立ちなどは、
たしかに、ちかごろ流行りのファッション雑誌を見るようなのだけれど。
それぞれの背景が、不親切なほど、なにも語られず明かされす、
すこし頑張って、こちらの想像力を総動員させないと、
あやうく、退屈きわまりない映像にしか、ならない危険も。

ときおり、たぶん本当にその街で暮らしているひとたちとの
やりとりが、出てくるのだけれど、その、物語をざっくり切るような
異物感に、ハッとして戸惑ってしまい、妙な感慨を抱いたり。
これは、恋愛なのかなあ、そうじゃないのかなあ、
セツコさんとヤマノハさんを見ていても、よくわからないのだけれど、
でも、そういえば、恋愛の始まりって、そんなもんなんだよなあ、なんて。

どうして、こんなちょっとした言葉のやりとりで、これらのひとたちが、
つぎつぎつながって、心地よさそうにしているのか、不思議な気が、
しなくもないけれど、あんがい近所に住んでいるということだけで、
というか、とくに「ここ」を選んで住んでしまったひとたちだからこそ、
顔を見合わせただけで、なにかわかりあえる、そういうことがあるのかも。

最初と最後だけ、登場する、おかあさん、らしき女性の存在も、
妙に意味深なのだけれど、物語をはらんでいる何かの象徴なのかしら、
というのは、すこし考えすぎだったりするでしょうか。

お洋服、みなさん、それぞれ個性をだしてすてきでした。
キョンキョンのワンピース姿、小林聡美さんのバーテンダーぽいキリッと
した白いシャツ。
シネプラザサントムーンにて、2月
マザーウォーター 公式サイト
by habits-beignets | 2011-02-09 17:41 | シネマのこと | Comments(0)