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映画 ハーブ&ドロシー

芸術作品なんてものは、生活に余裕のある一部のひとたちが、道楽として
集めたり論じたりするものというわけでは、決してない!ということを、
このご夫婦は、身をもって示してくださいました。

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小さなアパートに暮らす公務員ご夫婦が、なんでまた高名な芸術家の
作品群を、その部屋いっぱいにするほど集められたのか、というお話
なんですが、要は単純な話、もう、熱狂するほど好きだから、なんですね。
好きで好きで我慢できなくて、手に入れてしまう、なんとしてでも。

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気に入った作品を見つめる、だんなさまハーブの目つきといったら、もう!
まるで獲物をとらえるときのよう、と、誰もが口をそろえて言うのに、納得。
対照的な、おくさまドロシーの、よくよく吟味するような冷静な視線が、
だんなさまとは、また違った、静かな愛情と熱気を伝えてくれます。

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彼らふたりのちいさな体が、精力的に動き回るのにつれて、膨大な数の
アートがかき集められてゆくさまを見ていると、狂おしいほどの愛情と
いうものがもつ、エネルギーの物凄さが、説得力をもって、迫ってきます。
それは、作品を生み出すアーティストの情熱に、引けを取らないのでは?

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芸術って、特別なものではなくて、日々をたいせつに生きてゆく誰もの魂を
潤したり揺さぶったりする、ただそれだけのための不思議なものたちで、
それによって力づけられた者たちが、たがいに、いたわりながら交流して、
それがまた、大きな力を生み出してゆく、情熱の渦の核のようなものなのかも。

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好き、という気持ちに素直にしたがって、猪突猛進をつづけることの、
素晴らしさ、というか、それが何かを育て、豊かな世界を作り上げる力に
なるということを、現実の映像として観ることができて、励まされました。
何かが好き、何かに感動する、という気持ちを大事にして、耳を傾けること!

ジョイランドシネマ沼津にて、4月

ハーブ&ドロシー 公式サイト

by habits-beignets | 2011-04-18 01:26 | シネマのこと | Comments(0)

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