映画 アーティスト
2012年 04月 15日
ムダ削減、仕分けがトレンドの世の中ですわよ、奥サマ。
色とか、言葉とか、ほんとうに必要なのか、考えたことおありですか?
なくなったら、寂しいって、つまらないに決まってるって、思ってません?
大丈夫! つまらなくないから! 大切なことに気づくことができるから!
と、おもわず力説したくなる、快作登場、オスカーも、太鼓判ポン! です。
お話は、映画がサイレントから、トーキーへ移る時代の、その変化に抵抗する
かつてのスターと、その変化の波にうまく乗って活躍する女優の、触れ合い。
恋であったり、葛藤であったり、お互いを思う気持ちは、つねにあるのに、
意思の疎通が、うまくできない、もどかしさ、それが、モノクロサイレントの
世界によって、いっそう切なく、いじらしく、ひろがりを持って、描かれます。
情熱とか、恋い慕う気持ちとか、たぶん言葉では、ぜんぜん伝えられない。
ほんとうのことを知りたいとおもったら、じっと目を見たり仕草を観察したり、
それでもまだ、知ることができなくて、もどかしさに気が狂いそうになって、
誰にも知られずこっそり、スクリーンのなかの相手を見つめたり、ひそかに
助ける方法を探したり、あれやこれやの行動がすべて、愛。言葉はなくても。
もしかしたら、言葉や色があふれてしまうことで、たいせつなこと、
ほんのちょっとの喜びや陰りを、見過ごしてしまっているのかもしれません。
言葉や色は、もちろん多くのことを伝えることができるだろうけれど、
同時に、嘘や、ごまかしのためにも、利用されやすいから。
わずかなヒントから、その奥に潜むものを見つける想像力の、素晴らしさ。
台詞がないことで、集中して映像を観ることができて、あらたな発見に、
よろこびを感じることが、できるんではないかとおもいます。まったく音が
ないかというと、そういうわけではなく、すてきな音楽はひっきりなし
だし、ときおり、いたずらみたいに、音が鳴るし、色のない分、光がつくる
陰影があざやかで、そして言葉がない分、犬の訴えも、ひとの訴えと同じに。
技術の進歩で、音や色の再生が可能になったことで、浮かれて、それらを
使いまくって、今度は立体的に、と、新しい技術に頼っての表現方法ばかり
に目が向けられているようだけれど、そうではなく、すでにある技術でも、
工夫次第、とらえ方次第で、いくらでもあらたな発見ができる作品を生む
ことができるのだと勇気づけられる、素敵な、映画なんです。ご覧あれ!
シネプラザサントムーンにて、4月
アーティスト 公式サイト
色とか、言葉とか、ほんとうに必要なのか、考えたことおありですか?
なくなったら、寂しいって、つまらないに決まってるって、思ってません?
大丈夫! つまらなくないから! 大切なことに気づくことができるから!
と、おもわず力説したくなる、快作登場、オスカーも、太鼓判ポン! です。
お話は、映画がサイレントから、トーキーへ移る時代の、その変化に抵抗する
かつてのスターと、その変化の波にうまく乗って活躍する女優の、触れ合い。
恋であったり、葛藤であったり、お互いを思う気持ちは、つねにあるのに、
意思の疎通が、うまくできない、もどかしさ、それが、モノクロサイレントの
世界によって、いっそう切なく、いじらしく、ひろがりを持って、描かれます。
情熱とか、恋い慕う気持ちとか、たぶん言葉では、ぜんぜん伝えられない。
ほんとうのことを知りたいとおもったら、じっと目を見たり仕草を観察したり、
それでもまだ、知ることができなくて、もどかしさに気が狂いそうになって、
誰にも知られずこっそり、スクリーンのなかの相手を見つめたり、ひそかに
助ける方法を探したり、あれやこれやの行動がすべて、愛。言葉はなくても。
もしかしたら、言葉や色があふれてしまうことで、たいせつなこと、
ほんのちょっとの喜びや陰りを、見過ごしてしまっているのかもしれません。
言葉や色は、もちろん多くのことを伝えることができるだろうけれど、
同時に、嘘や、ごまかしのためにも、利用されやすいから。
わずかなヒントから、その奥に潜むものを見つける想像力の、素晴らしさ。
台詞がないことで、集中して映像を観ることができて、あらたな発見に、
よろこびを感じることが、できるんではないかとおもいます。まったく音が
ないかというと、そういうわけではなく、すてきな音楽はひっきりなし
だし、ときおり、いたずらみたいに、音が鳴るし、色のない分、光がつくる
陰影があざやかで、そして言葉がない分、犬の訴えも、ひとの訴えと同じに。
技術の進歩で、音や色の再生が可能になったことで、浮かれて、それらを
使いまくって、今度は立体的に、と、新しい技術に頼っての表現方法ばかり
に目が向けられているようだけれど、そうではなく、すでにある技術でも、
工夫次第、とらえ方次第で、いくらでもあらたな発見ができる作品を生む
ことができるのだと勇気づけられる、素敵な、映画なんです。ご覧あれ!
シネプラザサントムーンにて、4月
アーティスト 公式サイト
by habits-beignets | 2012-04-15 03:11 | シネマのこと | Comments(0)