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映画 おとなのけんか

子供のけんかに親がでて、というお話なんですけど、この顔ぶれ、
どう考えても、普通におさまりそうではない、ということで観ることに。

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となり近所や、親戚とか、おとなにはいろいろ、便宜的なおつきあいが
あって、そこではともかく、和を乱さないこと、自分の主張はさておき
お互いに歩み寄る姿勢が求められ、ていうか、理性的なおとなを演じるのが
暗黙の了解というかんじで、穏やかに、冷静に、おくゆかしく。

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ですけれど、こと最愛の息子の、やったやられた、が争点となると、
最初は相手に譲ろうと、がんばって抑えていた言い分も、どうしたって
沸々わいて、ちくちく逆らってゆくうちに、あっという間に臨界点、
超えてしまえば、反動もあってか、あらゆることが引き金に、大論争。

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そもそも何が問題で、どうしてこの場に集まったのか、ときおり振り返りも
するのだけれど、もはや止められない勢いのほうが、大切とばかりに、
四つ巴のマシンガントークが、続くのだけれど、これがけっこう気持ちよい
のは、こちらが野次馬だからでしょうか、でも、真剣で正直で潔いのでは?

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全力で相手にぶつかる、その高揚感は、不愉快さから出たものであっても、
無意識に今まで堪えていた、何かに向かって突っ走りたい衝動に身をまかせる
爽快感が、あったのではないでしょうか、だって、あんなに泣き叫んでも、
瞳はいきいきと輝いて、ときには弾けるように笑ったりもするのだし。

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冒頭の、笑顔をとりつくろいながらも、相手を揶揄するような視線に比べたら、
あけっぴろげの応酬のほうが、遥かに誠実で心からのおつきあいに見えました。
怒りって、相手を理解しようとする原動力になることもあるのかも知れません。
ところどころ、同意したり、反発したり、自分に正直に対峙して。

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大ヒット舞台劇の映画化。芸達者な四人で、舞台の面白さがきっとそのまま。
よくできた密室劇で、流れる時間と物語の時間が、まったく同じ、臨場感。
皆、いくら観ていても飽きないぐらいだったけれど、クリストフ・ヴァルツの、
『イングロリアス・バスターズ』を、思い出させる、表情の緩急が、すてき。

シネプラザサントムーンにて、5月

おとなのけんか 公式サイト

by habits-beignets | 2012-05-11 22:18 | シネマのこと | Comments(0)

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