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映画 ジェーン・エア

運命にみちびかれた、永遠の魂のむずびつきは存在するのでしょうか。
平凡な日常をおくっていると、それは絵空ごと、と諦めてしまうけれど。

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舞台は19世紀イギリス。良家の令嬢ではあるけれど、孤児の身の上ゆえ
苦難の子供時代をすごすことに、けれど芯の強さでのりきって、やがて
名家の家庭教師に。そこで、どこか訳ありげで気性の激しい主人と出会って
すぐに反発しあい、皮肉の応酬、不運な巡り合わせのように見えたけれど。

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急速に惹かれあうさまは、いつのまに、というぐらいの呆気なさで、
互いに理解を深めて、というふうにはまったく思えない、奇妙なかんじ
でもあるのだけれど、たえず姿をもとめて気持ちが落ち着かないふたりの
表情をみせつけられると、たしかに恋とは、こんなふうな秘密裏のもの。

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主人の留守中、やるせない思いを抱いて、彼を待ちわびながらさまよう、
ジェーンの、後ろ姿が、いじらしくて美しい。やけつくような嫉妬に
苦しみながら、それでも自尊心をたもとうと葛藤し、けれどけっきょくは、
相手の愛を勝ち得ることができたときの、感激、至福。それなのに。

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信じることすらできなかった恐ろしいほどの幸福が、やはり奪われた
ときの嘆きは、これまでの苦労や悲しみとは比較にならないほど、
彼女を打ちのめすけれど、同時に、このうえない強さが彼女の愛情に
育つことになったのかも。魂が試される、たぶんケタはずれの試練。

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王道のラブストーリーの原型でありそうな、不朽の名作の映画化。
壮大で美しい景色など、拡張高く、笑わない女主人公の内に秘めた
激情も、観るものの想像力をかき立てます。ようやくたどり着いた
主人公の答えに、運命の恋の存在を信じられるような気が。

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離れようとしても、忘れようとしても、ふとした瞬間に、自分を呼ぶ声。
魂どうしが、つねに求めあう、そんな誰かが、きっとどこかに?

ジョイランドシネマ沼津にて、9月

ジェーン・エア 公式サイト

by habits-beignets | 2012-09-08 22:59 | シネマのこと | Comments(0)

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