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映画 バレエに生きる〜パリ・オペラ座のふたり〜

バレエ観たことないんです、憧れたりはするんですけど、
なんか退屈っぽいイメージもあって、音楽と踊りだけなんて。
なんですけど、もうずっと目がくぎ付けでした、すばらしいですね。

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おもにパリのオペラ座で活躍された、振り付け師とエトワールのご夫婦、
インタビューを軸に彼らの軌跡が描かれるのだけれど、1970年代の
古い映像も、その画質の悪さすら趣があるように感じられる、美しさ、
しなやかな肢体が、バネで弾かれてでもいるかのような、躍動感。

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あちこちの一流劇場を、渡り歩いたような履歴は、じつはあんまりよく
あたまに入らなかったのだけれど、お二人がかかわった舞台のかずかずが、
これでもかというぐらい、惜しみなく映しだされ、振り付け、衣装、背景、
そして演技の優雅さが、どれもこれも、最高級品の集大成のよう。

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それぞれの内容など、まったく知らないで観ていたのだけれど、
台詞などいっさいなくても、繊細なからだの動きだけで、じゅうぶん、
踊り手の心情はつたわってくるようで、とくにあの手足、腕の角度、指先、
つま先立った足首のライン、心がそのすみずみまで染みとおっているよう。

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いろんな事情で、モダンな踊りよりも伝統的な踊りの復刻にたずさわる
ようになったらしいのですが、その古典的な世界がまた、なんとも
牧歌的というか叙情的というか、ゆたかで可憐な世界観をあらわしていて、
おとぎ話を、贅沢に気高く味付けしたら、かくなるのでは、という。

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まるで、自身に課せられた使命をまっとうしてきた、みたいなご活躍ぶり、
若かった頃の引き締まって輝いていた肉体とは、いくらかちがった高齢の
お姿でも、目の輝きは衰えず。それにしても、バレエの道に導かれた
その瞬間のひらめきを、信じることの力強さに、圧倒させられ。

ジョイランドシネマ沼津にて、2013年1月

バレエに生きる〜パリ・オペラ座のふたり〜 公式サイト

by habits-beignets | 2013-02-08 20:39 | シネマのこと | Comments(0)

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