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映画 ソハの地下水道

第二次大戦下のポーランド、迫害から逃れるユダヤ人をかくまって、
といえば、美談をおもい描くけれど、このソハさん、そんな聖人じみた
ところはあまりなく、金を搾り取ってしまえ、というのがいかにも俗人。

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えっこのひとが主人公? と冒頭ちょっと意外な感じがしたんですが、
だっていかにも狡猾、なりゆきでしかたなく助ける羽目になったみたいだし、
その態度だって親切さはあまりなく、罵倒しながらの嫌々支援、憎まれ口
叩く叩く、すぐにも裏切るのではないか、と相手に疑われるのも無理はない。

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けれどやはり、たびたび触れ合ってみれば、簡単に見捨てるわけにも
いかないで、という流れはたしかにありそう、正義のため、とかいう
高尚な意識ではなく、現に目の前に苦しんでいる哀れなひとたちがいれば、
手を差し伸べざるを得ず、とくに無邪気な子供たちを見ればどうしたって。

映画 ソハの地下水道_b0209183_427549.jpg

迷路のように入り組んだ下水道が舞台なんですが、映画だから多少手加減
したのだとはおもわれるけれど、けっしてきれいなところではなく、
そこで敵におびえながら生活する、という窮屈さ、悲惨さ、苦しさ、が
つたわってはくるのですが、逞しいかな、けっこうな生命力で妊娠まで。

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地上では、容赦ないユダヤ人狩り、何度見ても恐ろしいですね、理由なく
暴行され惨殺され、ポーランドのひとたちも、戦々恐々、気持ちでは
迫害されている人たちを気の毒がっていても、いざ自分の身も危険だと
わかれば、ぜったいに関わろうとはしないで、ナチのご機嫌うかがい。

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そんな命がけの二者択一の決断をくり返し、豪雨のなか、家族の引き止め
を振り払って下水道へと走るソハさん、もうこれは本能みたいなもの
だったのでは、自分は馬鹿だと苦笑いしながら、運命を罵りながらも、
危険をかえりみず、安全な場所へ導き、食料を届け、希望を捨てさせない。

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ラストの、誇らしげな表情が、なんともいえず。奥さんもとても愛らしく。
いや実話ということですが、暗闇での長期間にわたる生活は、かなり過酷
だったのでは。緊張感も限界だったのでは、すごいですね。

ジョイランドシネマ沼津にて、3月

ソハの地下水道 公式サイト

by habits-beignets | 2013-03-29 04:33 | シネマのこと | Comments(0)

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