映画 ソハの地下水道
2013年 03月 29日
第二次大戦下のポーランド、迫害から逃れるユダヤ人をかくまって、
といえば、美談をおもい描くけれど、このソハさん、そんな聖人じみた
ところはあまりなく、金を搾り取ってしまえ、というのがいかにも俗人。
えっこのひとが主人公? と冒頭ちょっと意外な感じがしたんですが、
だっていかにも狡猾、なりゆきでしかたなく助ける羽目になったみたいだし、
その態度だって親切さはあまりなく、罵倒しながらの嫌々支援、憎まれ口
叩く叩く、すぐにも裏切るのではないか、と相手に疑われるのも無理はない。
けれどやはり、たびたび触れ合ってみれば、簡単に見捨てるわけにも
いかないで、という流れはたしかにありそう、正義のため、とかいう
高尚な意識ではなく、現に目の前に苦しんでいる哀れなひとたちがいれば、
手を差し伸べざるを得ず、とくに無邪気な子供たちを見ればどうしたって。
迷路のように入り組んだ下水道が舞台なんですが、映画だから多少手加減
したのだとはおもわれるけれど、けっしてきれいなところではなく、
そこで敵におびえながら生活する、という窮屈さ、悲惨さ、苦しさ、が
つたわってはくるのですが、逞しいかな、けっこうな生命力で妊娠まで。
地上では、容赦ないユダヤ人狩り、何度見ても恐ろしいですね、理由なく
暴行され惨殺され、ポーランドのひとたちも、戦々恐々、気持ちでは
迫害されている人たちを気の毒がっていても、いざ自分の身も危険だと
わかれば、ぜったいに関わろうとはしないで、ナチのご機嫌うかがい。
そんな命がけの二者択一の決断をくり返し、豪雨のなか、家族の引き止め
を振り払って下水道へと走るソハさん、もうこれは本能みたいなもの
だったのでは、自分は馬鹿だと苦笑いしながら、運命を罵りながらも、
危険をかえりみず、安全な場所へ導き、食料を届け、希望を捨てさせない。
ラストの、誇らしげな表情が、なんともいえず。奥さんもとても愛らしく。
いや実話ということですが、暗闇での長期間にわたる生活は、かなり過酷
だったのでは。緊張感も限界だったのでは、すごいですね。
ジョイランドシネマ沼津にて、3月
ソハの地下水道 公式サイト
といえば、美談をおもい描くけれど、このソハさん、そんな聖人じみた
ところはあまりなく、金を搾り取ってしまえ、というのがいかにも俗人。
えっこのひとが主人公? と冒頭ちょっと意外な感じがしたんですが、
だっていかにも狡猾、なりゆきでしかたなく助ける羽目になったみたいだし、
その態度だって親切さはあまりなく、罵倒しながらの嫌々支援、憎まれ口
叩く叩く、すぐにも裏切るのではないか、と相手に疑われるのも無理はない。
けれどやはり、たびたび触れ合ってみれば、簡単に見捨てるわけにも
いかないで、という流れはたしかにありそう、正義のため、とかいう
高尚な意識ではなく、現に目の前に苦しんでいる哀れなひとたちがいれば、
手を差し伸べざるを得ず、とくに無邪気な子供たちを見ればどうしたって。
迷路のように入り組んだ下水道が舞台なんですが、映画だから多少手加減
したのだとはおもわれるけれど、けっしてきれいなところではなく、
そこで敵におびえながら生活する、という窮屈さ、悲惨さ、苦しさ、が
つたわってはくるのですが、逞しいかな、けっこうな生命力で妊娠まで。
地上では、容赦ないユダヤ人狩り、何度見ても恐ろしいですね、理由なく
暴行され惨殺され、ポーランドのひとたちも、戦々恐々、気持ちでは
迫害されている人たちを気の毒がっていても、いざ自分の身も危険だと
わかれば、ぜったいに関わろうとはしないで、ナチのご機嫌うかがい。
そんな命がけの二者択一の決断をくり返し、豪雨のなか、家族の引き止め
を振り払って下水道へと走るソハさん、もうこれは本能みたいなもの
だったのでは、自分は馬鹿だと苦笑いしながら、運命を罵りながらも、
危険をかえりみず、安全な場所へ導き、食料を届け、希望を捨てさせない。
ラストの、誇らしげな表情が、なんともいえず。奥さんもとても愛らしく。
いや実話ということですが、暗闇での長期間にわたる生活は、かなり過酷
だったのでは。緊張感も限界だったのでは、すごいですね。
ジョイランドシネマ沼津にて、3月
ソハの地下水道 公式サイト
by habits-beignets | 2013-03-29 04:33 | シネマのこと | Comments(0)