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映画 イノセント・ガーデン

あの韓国復讐3部作パク・チャヌク監督ハリウッド進出作品。
独特のおぞましくも美しい幻想的な世界観が、繰りひろげられて。

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キャスティングがまた、素晴らしいんですよ。飛ぶ鳥おとすいきおいの
『ジェーン・エア』が印象に残る、ミア・ワシコウスカ。危険なかおり
ただよう美女そのもの、ニコール・キッドマン。そして脚本がドラマ
『プリズン・ブレイク』主演のウェントワース・ミラー。当然、話題作。

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ちょっと怖くて痛いんですけど、引き込まれずにはいられない、さすがの
映像、ひとつひとつのシーンがそれだけで物語になりそうな、異様なかんじ、
そしてとてもエロティック、ちょっとしたやりとりでも、どこか意味ありげ、
家の階段ののぼりおり、地下室の電燈の揺れ、ピアノの連弾、くしけずる髪。

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ミア・ワシコウスカがもう、あぶない少女の雰囲気たっぷりで、しどけない
白のスリップ姿、お嬢さんらしいフレアスカート、これまで贈られた箱入り
のどれも同じデザインのひも靴を、からだを囲むようにベッドにひろげて
横たわる姿、彼女のプロモーションビデオかのような、目を見張る映像美。

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ニコール・キッドマンの妖艶な母ぶりも、痛々しく、娘につめたくされても、
憎しみをぶつけあっても、どこか同志のようなむすびつきを、感じさせる、
ともに、大きなお屋敷に幽閉されたふたりの美女。とつぜん現れた魅力的な
叔父が、その暮らしに、さざ波をたて、やがてそれは大波に、渦になって。

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少女の感覚と思考のながれを、軸にして、物語は展開してゆくのですが、
ふつうの時系列とはすこしずれた、できごとの描写が、スリリングで、
謎ときのおもしろさとともに、彼女の混乱を共有できるかのような
リアリティに、淫靡めいた気分がめざめるかんじ、そして終盤の恐ろしさ。

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血の描写は何度か、ドキドキの場面もつぎつぎ出てくるんですが、少女が
おとなになる瞬間の痛みと戸惑いと決意が、猟奇的な描写のかずかずに反映
されて、たしかに悲惨なエピソードのつらなりではあるのだけれど、母娘の
せつない情愛の気配に、甘美な余韻、たしかに残酷で美しいファンタジー。

デザインにまつわるメイキング映像、おもしろいです。
映画『イノセント・ガーデン』特別映像:デザイン

ジョイランドシネマみしまにて、6月

イノセント・ガーデン 公式サイト

by habits-beignets | 2013-07-04 21:42 | シネマのこと | Comments(0)

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