映画 大統領の料理人
2013年 12月 03日
ごちそう、もちろん好きです。彩りよく美しく盛られた料理のお皿、
目の前に運ばれた瞬間、わくわく、でも、いつもそれでは飽きるかも。
いきなり、大統領官邸へとむかう車に乗せられた、田舎でレストランを営む
女性が、その大役を聞かされて、母や祖母からうけついだ、素朴な料理しか
できませんと、謙遜まじりにことわるのですが、それこそ、大統領の望みだと、
たしかに気持ちはわかるような、いつも気合いの入った料理では、疲れるかも。
大勢の料理人たちが、厨房でせわしくうごいて、見るからに、彼らの料理は、
マニュアルどおりで、個性がなさそう、自分たちの有能さを表現するための
職場でしかなさそうで、食べるひとへの、愛情というか、おいしさを味わう、
至福のときを、すごしてほしいと、真剣に願う気持ちは希薄にみえて。
食材調達、メニュー決定、調理時間など、さまざまな制約のなかでも、
ともかく大統領が満足できるよう、祈ってでもいるかのように、料理に
いそしむ姿は、職業の枠をこえた、たとえばやっぱり母親めいて、だから、
彼女は求められたにちがいない説得力、皿が空いたかどうか気になって。
けれど、国の中枢の特殊な場所、要人の胃袋を管理するには、いろいろな
しがらみやら横やりやらやっかみやら、純粋においしい料理を作りたいだけ
なのに、邪魔の多さにうんざりしたりも、それでも闘ってしまうのには、
料理を通じて、わかりあえる関係に、励まされるところがあったのかも。
実話にもとづいてのお話ということだけれど、ミッテラン大統領もかなり、
料理には造詣が深かったらしく、料理本についての会話の場面は微笑ましく
興味深く、昔の料理本はよかった、との感想には、なるほど、と思わされて
つまり、料理を愛情表現、愛の物語と、感じる情緒が、現代は欠けてるかも。
おいしいものを食べるよろこびを、味わってほしい、その一心で料理する
姿勢のたいせつさ、強さが、静かにつたわってきて、それは、彼女が南極で
腕をふるう場面でも、如実にあらわれて、過酷な状況ではたらく男たちが
みな頼りきって、彼女を慕う食堂での和やかさこそ、本来あるべき姿のようで。
こっそり、厨房で、ワイン片手に、届いたばかりのトリュフを味わう場面が
印象的。絶えず緊張を強いられる境遇では、こんな夜食がごちそうだったかも。
ところで、主人公の女性の、ノーカラーのコートが、どうにもおしゃれで、
おばさんぽいけど、なぜかかっこいい出で立ちは、フランスだから?
シネプラザサントムーンにて12月
大統領の料理人 公式サイト
目の前に運ばれた瞬間、わくわく、でも、いつもそれでは飽きるかも。
いきなり、大統領官邸へとむかう車に乗せられた、田舎でレストランを営む
女性が、その大役を聞かされて、母や祖母からうけついだ、素朴な料理しか
できませんと、謙遜まじりにことわるのですが、それこそ、大統領の望みだと、
たしかに気持ちはわかるような、いつも気合いの入った料理では、疲れるかも。
大勢の料理人たちが、厨房でせわしくうごいて、見るからに、彼らの料理は、
マニュアルどおりで、個性がなさそう、自分たちの有能さを表現するための
職場でしかなさそうで、食べるひとへの、愛情というか、おいしさを味わう、
至福のときを、すごしてほしいと、真剣に願う気持ちは希薄にみえて。
食材調達、メニュー決定、調理時間など、さまざまな制約のなかでも、
ともかく大統領が満足できるよう、祈ってでもいるかのように、料理に
いそしむ姿は、職業の枠をこえた、たとえばやっぱり母親めいて、だから、
彼女は求められたにちがいない説得力、皿が空いたかどうか気になって。
けれど、国の中枢の特殊な場所、要人の胃袋を管理するには、いろいろな
しがらみやら横やりやらやっかみやら、純粋においしい料理を作りたいだけ
なのに、邪魔の多さにうんざりしたりも、それでも闘ってしまうのには、
料理を通じて、わかりあえる関係に、励まされるところがあったのかも。
実話にもとづいてのお話ということだけれど、ミッテラン大統領もかなり、
料理には造詣が深かったらしく、料理本についての会話の場面は微笑ましく
興味深く、昔の料理本はよかった、との感想には、なるほど、と思わされて
つまり、料理を愛情表現、愛の物語と、感じる情緒が、現代は欠けてるかも。
おいしいものを食べるよろこびを、味わってほしい、その一心で料理する
姿勢のたいせつさ、強さが、静かにつたわってきて、それは、彼女が南極で
腕をふるう場面でも、如実にあらわれて、過酷な状況ではたらく男たちが
みな頼りきって、彼女を慕う食堂での和やかさこそ、本来あるべき姿のようで。
こっそり、厨房で、ワイン片手に、届いたばかりのトリュフを味わう場面が
印象的。絶えず緊張を強いられる境遇では、こんな夜食がごちそうだったかも。
ところで、主人公の女性の、ノーカラーのコートが、どうにもおしゃれで、
おばさんぽいけど、なぜかかっこいい出で立ちは、フランスだから?
シネプラザサントムーンにて12月
大統領の料理人 公式サイト
by habits-beignets | 2013-12-03 14:02 | シネマのこと | Comments(0)