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映画 わたしはロランス

きれいなお洋服を見るのが好き。美容院で似合う髪型にしてもらえると、
うれしい。あたたかくなったら、フレアスカートをひらつかせたくなる。

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それってやっぱり女性ならではの楽しみなんでしょうね。いつからどうして
ていうのが、疑問であったりするんですが。はたして本能なの?
男性の気を引くための? いやでもそんなの関係ない気もするし、
むしろ同性から褒められるほうが、うれしかったり、性ってよくわからない。

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もしも恋人、男性としてつきあってて文句なしの彼が、じつは心は女なんだと
告白してきたら、たしかにびっくり仰天、そして混乱、では自分が今まで愛して
信頼してきた彼は、偽物だったの? たしかだと思ってた絆は、幻だったの? 
ていうか、彼は自分を愛してるの? 女性を愛することはおかしいのでは?

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女性とか男性とか、その意味合いって何? 戸惑いながら、不安に陥りながら、
理解の限界をこえてしまっている気配にうろたえながら、けれど失いたくない、
彼との愛をあきらめたくない、しがみつく必死さで、恋人のカミングアウトを
応援しようとする姿が、痛々しくて。性別なんてどうでもいい、そんな覚悟が。

けれど、どうしたって完璧に理解しあうことの困難さで、傷ついて、
愛してるからこそ、すべてをさらけ出すことができなくて、甘えることも
我慢するうち、互いの苦悩に耐えきれなくなる瞬間が。愛してるのに、
笑うことができなくなる、というより、愛しすぎてるからこそのつらさ。

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離れていることの寂しさと、触れ合うことによる苦痛の、はざまで、
何度も大きく揺らぎながら、10年のときがながれる様子が、
インタビューという形式で物語られるのだけれど、そこにはいちおう
結末らしきものがありながら、美しい瞬間瞬間の、動かせない記憶が。

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正常ってなに? 完全な正常なんてあるの? マイノリティーの概念を
否定したいと、彼はいうけど、それにともなう苦しみや悲しみが、
人生のいくつかの場面を、このうえなく美しく輝かせたことも真実で、
洗濯したての、色鮮やかな、たくさんの衣類が頭上から降った瞬間のように。

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主人公ロランスを演じた、メルヴィル・プポーの美しさにうっとり。
テクニカラーの色彩と雰囲気たっぷりのかろやかな音楽が、ここちよく。

ジョイランドシネマ沼津にて1月

わたしはロランス 公式サイト

by habits-beignets | 2014-01-22 16:15 | シネマのこと | Comments(0)

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