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映画 マダム・イン・ニューヨーク

いつも変わらない日常、それもしあわせなかたちなのだろうけれど、ときに、
不満、鬱屈をかんじてしまう、たぶん悪気のない、家族の揶揄の言葉にも。

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料理はプロ並みだし、やさしくほがらか、しかもとびきりの美人なのに、
夫や子供たちに軽く見られて、娘には恥だとさえ責められて、きっと甘えが
あるのでしょうけれど、つい忘れられてしまうそのひとが、どれほど愛情深く
心をくだいて、まわりのひとが幸福なきもちになれるよう、努めているのかを。

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英語ができないことを、ことあるごとにバカにされてたインドのマダム、
自分でもそれに甘んじてたんですよね、バカにされても助けてはくれるし、
生活には、それほど不便をかんじなくて、けれど、どうしてもたった一人で
ニューヨークに行かなくてはいけなくて、言葉のわからない不安といったら。

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でも人間、追いつめられたら強くなれる、必死さというか開き直りというか、
たぶんそれまでの屈辱感がたまりにたまってたにちがいない、もう誰にも
バカにされたくない、誰しもが自分を軽くあしらうのには我慢できない。
もしや、異国についたその瞬間に、気持ちにスイッチが入ったのかも、

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いや英語って、どこの国の人にとっても厄介なものなのかもしれません。
さまざまな母国語をもつひとたちが、英語を学ぶためにスクールに集って
いるのですが、その経緯がどうやらやっぱり、一人前にみられたいから、
どんなに優秀な仕事ぶりでも、英語できないと軽視されてしまうみたいな。

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けれど言葉って、ほんとうはそれほど大切なものではないのかも。
真剣に、なにかをつたえようと、誰かを理解したいと欲したら、
たとえ言葉がわからなくたって、触れあえる、わかりあえる、他人との
強いむすびつきには、言葉など、かえって邪魔なのかも、そんな気にも。

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英語をつかわないで、それぞれの母国語で会話をしても、正確な意味は
わからなくったって、心情は共振したり、その神秘がここちよかったり、
あんがい、言葉だけで意思疎通をはかろうとすることが、誰かの気持ちを
わかろうと努力することを、おろそかにしているのでは、つい乱暴に。

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けっきょく英語ができることなんて、それほど大事なことでもなくて、
ただ、できないことのコンプレックスを克服すれば、自分に自信がもてる、
いろんな可能性もかんじられるし、堂々としていられる、威厳もたもてる、
たいせつなのは、身近なひとと尊敬しあえる、その安心感なんでしょうね。

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それにしても、インド映画ってほんとゆたかで、文句なしのバランス感覚。
女優さんはみな美しいし、踊って歌って、笑ってしんみりして、批評まで。

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ジョイランドシネマ沼津にて8月

マダム・イン・ニューヨーク 公式サイト

by habits-beignets | 2014-08-06 14:52 | シネマのこと | Comments(0)

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