映画 フランシス・ハ
2014年 10月 11日
好きとか悲しいとか腹たったりとか、いろんな気持ちが四方八方ちらばって、
まとまらないまま、浮かれたり落ち込んだり、始終じたばたもがいてばかり。
ニューヨークで暮らすフランシスは、ルームメイトのソフィーが超大好き、
とにかく一緒にじゃれあっていられれば、もうそれだけでじゅうぶん幸せ、
だったのに! いきなり無情な転機が! なんとかどこかにすがろうと、
まさに行き当たりばったり、けれど真剣に、自分のきもちをまっすぐに。
どこに行くにもリュックサック、のしのし歩き、どたどた走り、地に足つかず、
夢みる少女なんですね、いつか一流ダンサーにきっとなれる、それを疑わない、
でも何度も触れられる年齢は、少女にしてはかさ高く、まわりはみな、
いつのまにかステップアップ、かわいがられてやさしくされても、どこか孤独。
一瞬一瞬のかがやきを、ずっとそのままとどめたくて、でも否応もなく
時間の波にもまれながら、流されて、思いどおりにいかないことだらけの
人生は受け入れがたく、でも、けっきょくそうして生きてゆくしかないことが、
愛おしいひとたちとのかかわり合いのなかで、自然に、わかってくる気配。
パッとその場のおもいつきで、パーティーに出たり、知り合いを呼び出したり、
部屋にころがりこんだり、いきなり外国に飛んだり、きちんと将来を見据える
ことを避けてしまう、大人から見れば、それははがゆく、幼い愚かしさ、でも、
そんなあれやこれやをくぐらないと、自分で立つ力は、手に入らないのかも。
あちこち無駄に駆けまわってるだけのようでも、その駆けまわった足腰が
あるからこそ、すっくと堂々立ち上がることが、たぶん、できる。
目先のことで精一杯でも、自分なりに必死に対処していれば、いつのまにか、
どこかにつながる扉がひらいている、たしかにそれは20代にたどる道筋かも。
ソフィーとベタベタイチャイチャしてたときには、頼りなげな子供だったのに、
いくつもの、一つ一つはささやかでも、行く先々でぶつかる試練に、傷ついたり
苦悩するうち、静かで穏やかな、自分との向き合い方が、わかってきたようで、
タイトスカートにパンプス姿が意外に様になったのは、きっとだから。
大人になるっていうか、社会の一員になるってことは、自分に課せられた
役目みたいなものを、なんとなく実感として理解できることのような。
でも、いつまで経ってもずっと道はきっと続く、だから、たのしい、
「フランシス・ハ」ていうのは、そういうことっていう微笑ましさが。
モノクロ、既視感、わたしたちの物語。
ジョイランドシネマ沼津にて、10月
フランシス・ハ 公式サイト
まとまらないまま、浮かれたり落ち込んだり、始終じたばたもがいてばかり。
ニューヨークで暮らすフランシスは、ルームメイトのソフィーが超大好き、
とにかく一緒にじゃれあっていられれば、もうそれだけでじゅうぶん幸せ、
だったのに! いきなり無情な転機が! なんとかどこかにすがろうと、
まさに行き当たりばったり、けれど真剣に、自分のきもちをまっすぐに。
どこに行くにもリュックサック、のしのし歩き、どたどた走り、地に足つかず、
夢みる少女なんですね、いつか一流ダンサーにきっとなれる、それを疑わない、
でも何度も触れられる年齢は、少女にしてはかさ高く、まわりはみな、
いつのまにかステップアップ、かわいがられてやさしくされても、どこか孤独。
一瞬一瞬のかがやきを、ずっとそのままとどめたくて、でも否応もなく
時間の波にもまれながら、流されて、思いどおりにいかないことだらけの
人生は受け入れがたく、でも、けっきょくそうして生きてゆくしかないことが、
愛おしいひとたちとのかかわり合いのなかで、自然に、わかってくる気配。
パッとその場のおもいつきで、パーティーに出たり、知り合いを呼び出したり、
部屋にころがりこんだり、いきなり外国に飛んだり、きちんと将来を見据える
ことを避けてしまう、大人から見れば、それははがゆく、幼い愚かしさ、でも、
そんなあれやこれやをくぐらないと、自分で立つ力は、手に入らないのかも。
あちこち無駄に駆けまわってるだけのようでも、その駆けまわった足腰が
あるからこそ、すっくと堂々立ち上がることが、たぶん、できる。
目先のことで精一杯でも、自分なりに必死に対処していれば、いつのまにか、
どこかにつながる扉がひらいている、たしかにそれは20代にたどる道筋かも。
ソフィーとベタベタイチャイチャしてたときには、頼りなげな子供だったのに、
いくつもの、一つ一つはささやかでも、行く先々でぶつかる試練に、傷ついたり
苦悩するうち、静かで穏やかな、自分との向き合い方が、わかってきたようで、
タイトスカートにパンプス姿が意外に様になったのは、きっとだから。
大人になるっていうか、社会の一員になるってことは、自分に課せられた
役目みたいなものを、なんとなく実感として理解できることのような。
でも、いつまで経ってもずっと道はきっと続く、だから、たのしい、
「フランシス・ハ」ていうのは、そういうことっていう微笑ましさが。
モノクロ、既視感、わたしたちの物語。
ジョイランドシネマ沼津にて、10月
フランシス・ハ 公式サイト
by habits-beignets | 2014-10-11 12:21 | シネマのこと | Comments(0)