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映画 千年の一滴 だし しょうゆ

和食がユネスコ無形文化遺産になった、と報道されてから久しいですが、
なるほど世界が認めるわけね、の奥深さをじっくり堪能できて。

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第1章「だし」編、第2章「しょうゆ」編で、構成されるドキュメンタリー、
日本・フランス合作、2014年フランス•ドイツで大反響とのことなのですが、
和食を基礎づけるともいえそうな要素、「うまみ」を軸にひろがる物語、背景が
ドラマチックで、それぞれの食材とそこにかかわる人々の生命力がみなぎって。

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だしといえば、昆布と鰹節、京都の料亭で丁寧にひかれる、たっぷりのだしは、
やわらかな湯気をただよわせ、こし布からポタリ、ポタリ、ゆっくりしたたる
しずくたちは、優雅にきらめき、静かなハーモニーを奏でながら、料理人の
感性にみちびかれるかたちで、ひとびとの味覚をうならせるまでにむすびあう。

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そのむすびあいまでの、遠い道のり、はるか北の海、あるいは南の海で、
厳しい自然と闘い、寄り添いつつ、たくましく暮らすひとびとの熟練の手で、
ゆらゆら海底しげる昆布や、ぴちぴち肥えた鰹、歳を重ねた木に根づく椎茸が、
ぎっしりうまみをたくわえるよう、育てられる過程の緻密さが、揺るぎなく。

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いったいどうしていつから、こんな知恵が、と驚嘆してしまうのだけれど、
だって、捕まえたり、収穫したり、で終わりにしないのですもの、それから
さらに、自然のちからを借りて、時間をかけてじっくり、おいしさがぎゅっと
あつまるよう、目には見えない化学反応を、きちんと推量るなんてことまで。

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しょうゆもまた、まさに愛おしんで育てているわけだけれど、その発酵、
熟成は、ミクロの世界でのできごと、花が咲いたり、呼吸をしたりと、
目でたしかめられる変化はもちろんあっても、それをもたらす麹菌は、
微細で神秘的、家宝のように外界と閉ざされて守られる、秘薬の重々しさ。

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秘薬なわけなんですね、どこにでもあるってしろものではないのですって、
どうしてそれが、日本にあるのか、という謎の解明が紹介されるのですが、
ミステリアスで感動的、先人の情熱と聡明さに、思いを馳せると、
いまの暮らしに欠かせない、しょうゆ、みそが、奇跡的な存在に思われて。

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ふだん、当たり前に口にしている、和食の不可思議さ、たくさんの時間と
たくさんの自然現象、たくさんの労力、たくさんのめぐり逢わせの、
ありがたさが、遠い過去からの歴史、さまざまな場所でのひとびとの営み、
科学の視点で明かされる原理をつうじて、胸にせまって、おいしさに感謝。

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シネプラザサントムーンで12月18日まで(問い合わせ多く当初の予定より1日延長とのこと)

シネプラザサントムーンにて12月

千年の一滴 だし しょうゆ 公式サイト

by habits-beignets | 2015-12-17 04:18 | シネマのこと | Comments(0)

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