映画 トランボ ハリウッドに最も嫌われた男
2016年 10月 04日
ローマの休日、名作ですよね。むろん、オードリー・ヘプバーンの魅力全開
なわけなんですけれど、あのシンプルで奥深い脚本もすばらしく、なのに、
誰が書いたのかって、あまり注意してなかったり、こんなドラマがあったとは。
まだ記憶の隅に残ってる、東西冷戦、けれどこれほど過酷な現状だったなんて、
しかもクリエイティブな業界のはずなのに、個人の思想や発言が、つぶさに
検閲されて、というか弾圧さながら、優れた脚本家のダルトン・トランボにも
追及の手はゆるめられず、体制に反発すれば、ソッコー刑務所の理不尽さ。
思想が罪とされるなんて、まったく信じられないおそろしさなんですけれど、
どうやらそこには、たくさんの血がながれた戦争の残像、仮想敵国への憎悪が
反映された、激しい排他的感情があるようで、そんな無自覚なままの横暴さに、
ひとびとの心をなぐさめ、勇気づける物語を描く者さえも、痛めつけられて。
服役後に出所しても映画界からは追放、脚本家としての腕はたしかなのに、
危険分子に仕事はゆるされず、けれど生活のため、ありあまるアイデアのため、
名前を伏せて廉価で、密かに膨大な量の名作や娯楽作をつぎつぎ、これは闘い?
賞讃や尊敬、穏やかであたたかな暮らしも諦めて、まるで何かへの挑戦のよう。
いやきっと、こっそり脚本を書きつづけることのかなしさは、おしはかれず、
名誉や報酬は欲せずとも、自らの創作を語れない、思いを吐露できないことは、
世界とつながっているたしかさを、奪われたようなものでは?
正当な批判なら、きちんと対峙できるけれど、それさえ許されない侮蔑など。
終盤、わずかに距離をおきながらも、ずっと寄り添いつづけた娘が、
目からウロコの洞察力をみせてくれるのだけれど、勇敢な者に光さす瞬間が、
自分を信じて、あるいは、信じるに値するか絶えず検証しつつ、屈しなければ、
大切なものは、きっと世の中に生き残れる、そんな希望がかいまみえて。
それにしてもトランボさん、あれもこれも著名な映画の脚本書いたんですね。
「ローマの休日」ラスト、王女の凛とした表情が奇跡的に素晴らしいですが、
トランボさんの不屈の精神が、あたかも映ったように、不思議に感じられて、
市井の人々のささやかなきらめきのような自由を、守りたい、そんな瞳と口元。
シネプラザサントムーンにて10月
トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 公式サイト
なわけなんですけれど、あのシンプルで奥深い脚本もすばらしく、なのに、
誰が書いたのかって、あまり注意してなかったり、こんなドラマがあったとは。
まだ記憶の隅に残ってる、東西冷戦、けれどこれほど過酷な現状だったなんて、
しかもクリエイティブな業界のはずなのに、個人の思想や発言が、つぶさに
検閲されて、というか弾圧さながら、優れた脚本家のダルトン・トランボにも
追及の手はゆるめられず、体制に反発すれば、ソッコー刑務所の理不尽さ。
思想が罪とされるなんて、まったく信じられないおそろしさなんですけれど、
どうやらそこには、たくさんの血がながれた戦争の残像、仮想敵国への憎悪が
反映された、激しい排他的感情があるようで、そんな無自覚なままの横暴さに、
ひとびとの心をなぐさめ、勇気づける物語を描く者さえも、痛めつけられて。
服役後に出所しても映画界からは追放、脚本家としての腕はたしかなのに、
危険分子に仕事はゆるされず、けれど生活のため、ありあまるアイデアのため、
名前を伏せて廉価で、密かに膨大な量の名作や娯楽作をつぎつぎ、これは闘い?
賞讃や尊敬、穏やかであたたかな暮らしも諦めて、まるで何かへの挑戦のよう。
いやきっと、こっそり脚本を書きつづけることのかなしさは、おしはかれず、
名誉や報酬は欲せずとも、自らの創作を語れない、思いを吐露できないことは、
世界とつながっているたしかさを、奪われたようなものでは?
正当な批判なら、きちんと対峙できるけれど、それさえ許されない侮蔑など。
終盤、わずかに距離をおきながらも、ずっと寄り添いつづけた娘が、
目からウロコの洞察力をみせてくれるのだけれど、勇敢な者に光さす瞬間が、
自分を信じて、あるいは、信じるに値するか絶えず検証しつつ、屈しなければ、
大切なものは、きっと世の中に生き残れる、そんな希望がかいまみえて。
それにしてもトランボさん、あれもこれも著名な映画の脚本書いたんですね。
「ローマの休日」ラスト、王女の凛とした表情が奇跡的に素晴らしいですが、
トランボさんの不屈の精神が、あたかも映ったように、不思議に感じられて、
市井の人々のささやかなきらめきのような自由を、守りたい、そんな瞳と口元。
シネプラザサントムーンにて10月
トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 公式サイト
by habits-beignets | 2016-10-04 00:04 | シネマのこと | Comments(0)