映画 ラ・ラ・ランド
2017年 03月 14日
きらきら色あざやか、スクリーンいっぱい、歌ってはずんで踊ってみたり、
それぞれ夢にむかって、一直線のふたりが、出会って恋におちての物語。
少しありきたりで、身のほど知らずの夢ではあるのですけれど、若いですものね、
オーディションに落ちまくりの、女優志望の女の子と、自分の好きな曲だけを、
演奏できる理想の店を持ちたい、ジャズピアニストの青年が、少しつっかかりながら、
つべこべ言いあいながらも、人生のままならなさ、せつない気持ちのシンパシー。
頑張ってるつもりなんだけれど、いつもうまくいかない、やはり無理かもしれない、
どうやら周りからも、きっと冷ややかな目で見られている、もう諦めるべき?
そんなとき、理解してくれる、肯定してくれる、励ましてくれる、誰かって、
かけがえのない、とても大切な存在、あした生きてく、力をくれるだけでも。
星いっぱいの夜空を、手をとりあって、渡ってゆく幸福が、ほんの一瞬でも、
肩をよせあい、愛おしさを奏でる調べが、永遠でなくても、今そばにいる、
ぬくもりを感じられる、支えがうれしいのに、それだけでは立ち行かない現実、
その場しのぎでも、日々の糧のために、なにかを犠牲にすることがやはり。
いわゆるミュージカルの能天気さにも、見放されて、夢と現実の境界で、
自分を信じて勇敢にチャレンジしたり、すぐに希望を見失って絶望したり、
このひとと一緒なら、そんな気持ちで、夢が輝きを、増してもきたのに、
ふたりでいても、一向に遠のきそうな、はるかな夢が、もはや苦しくて。
演じるエマ・ストーンと、ライアン・ゴズリングが、みずみずしく痛々しく、
出会った春の、うきうき予感に高鳴る踊りっぷりは、はじけて、
夏は、息もぴったりの疾走ステップ、そして、秋はとまどいの揺らぎが、
冬のクリスマス、美しいピアノの音色に、時間がとまり、あるいは戻り。
すべて思いどおりにならなくても、必死でなにかを追いかけていた日々の、
触れ合い、交わした言葉、いたわりあいは、ずっと密やかに胸の奥でくすぶって。
冒頭のハイウェイ渋滞の華やかさから、すこし心痛い大人の世界に。
いろんな名画のいいとこどり、ミックスみたいな、楽しさみごとさ、
なんとなく、ローマの休日ぽい、凛々しくやさしい印象ものこって。
音楽、よいですね、なんか元気になれそうな励まされるような、リズムメロディー。
ラストは圧巻、ああ人生ってなんかそんな感じの一瞬の永遠のつらなりのような。
シネプラザサントムーンにて3月
by habits-beignets | 2017-03-14 00:13 | シネマのこと | Comments(0)