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映画 チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛

いま、自分の幸福の度合いが、じゅうぶんで何をも必要としないほどなのか、

たしかに何かが足りなくて、それを欲して求めるべきなのかって、むずかしい。

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修道院で暮らしていた孤児のソフィア、裕福な商人の中年男、コルネリスに、

嫁ぐのですが、修道院長の言葉にも表れているように、要は、就職なんですね、

おそらく、若さ、美しさ、体丈夫さ、真面目で慎み深いところを、買われて、

貧しい少女から、お屋敷での若奥さまの暮らしになって、それはありがたく。

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就職ですから、彼女には課された仕事があるわけで、むろんそれは、あとつぎ、

お家を絶やさず、財産がきちんと受け継がれることが、夫には大切な問題、

ともに暮らす夫婦ですから、互いを思いやるあたたかな愛情は、あるけれど、

しばしば男女におとずれる、狂おしい熱情は、惜しいことに欠けらもなくて。

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じっと、射ぬくほどに見つめられれば、不意打ちに、官能への扉が開かれて、

もはや、抗うことは、やはり難しく、一瞬のためらいはあっても、なのよね、

夫のやさしさに感謝して、彼へのいたわりの気持ちを、変わらず持ち続けても、

若い画家に、走りたい心と体を、欺くことができないのは、純粋で未熟だから?



先のことはわからなくても、今この瞬間の喜びと勢いで、不確かな幸福のために、

大博打を打ってしまうのは、バブルそのもの、なのかも、落ち着いて考えれば、

安心して穏やかに暮らしてゆけることの、大切さを、省みることができるのに、

彼こそすべてと、夢中になっているときには、現実の幸福を見逃してしまう。



それにしても、チューリップの美しさが、人々を狂乱の世界へと招いたなんて、

美しく希少なもののために、一瞬のうちに莫大な金が、動いたりするんですね、

そんなもの、いつかそれほどの価値がなくなる、と冷静に見通せる賢人こそ、

たよるべき相手なのに、どこかつまらなく感じてしまったりは、たしかに。



神聖な場所の修道院でも、チューリップ栽培に関わっていたり、まるで商売人、

17世紀のオランダの風俗が、生き生きと描かれて、富める者も貧しい者も、

ごった返しの様相、ちょっとしたチャンスで、大金持ちになれる時代だったの?

というか、いまの時代と、あまり変わらないかもですね、投機に群がる人たち。


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フェルメールの絵の世界を描きたい、と創られた作品らしく、絵画的な色彩、

特に、やはりブルーの輝きがまぶしく、当時のファッションも堪能できて。

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いろいろの行き違いや、策略やら、失態やらの果てに、それぞれの立場の人たち、

悲しかったり悔しかったり憤ったりはあったけれど、みな、幸福のほのかな光を、

見つけられたような、物語の結びに、ほっと暖かく微笑ましい気持ちに。

失意のどん底から這い上がるにしても、博打で幸せはつかめないんですね。


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シネプラザサントムーンにて1月


チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛 公式サイト


by habits-beignets | 2019-01-15 14:58 | シネマのこと | Comments(0)

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