2012年 10月 04日
で、てっきり、この可愛い女の子がロボットなのかと思っていたら。
わけわからん、とかいってるわりに、物語はあんがい丁寧なすべり出しで、
はたしてロボットが、どんな具合にできあがったのか、わかりやすく
描かれていて、違和感なく、このお話の世界に入り込んでゆくことができ、
その完成品の、みごとな体のうごきに、おもわず見入ってしまいます。
なにかやってくれるぞ、と期待感は高まって、でも最初はさすがに
おとなしく、生みの親の教授のしもべ、いわれたことだけそのままに、
気が利かないところがもどかしく、それがネックで、なかなか思惑どおりに
いかない苛立ちのすえ、大奮闘の結果、なんとか感情まで手に入れて。
けれどそれが大問題、当然いちばん厄介な、恋愛感情が芽ばえてしまい、
恋は盲目、恋は暴走、その強烈なちからを悪用しようとたくらむ人間の
ちょっかいも手伝って、不埒な欲望は抑えがきかず、まわり全部を敵に
まわし、暴れ放題、やりたい放題、もはや笑うしかない、地獄絵巻?
しかしながら、恋にとらわれたその瞬間の、とりまく世界のキラキラ感、
生きることの幸福感が、圧倒的な迫力の踊りで、描かれるのだけれど、
たしかに、脳内はそんな感じであるのかも、という説得力に満ちていて、
ロボットの人生は、まさにそのときに、はじまったような、輝きで。
恋に落ちてしまった彼が、戦争を否定する場面が、なかなかよろしく、
むしろそんな彼こそが、誰かに愛され、幸福な人生をまっとうする資格が
あったような、せつなさが。結局、いろんなひとの、身勝手な欲望に
翻弄され、自分を傷つけてしまうような顛末に、哀れさが呼び起こされて。
日本版とされているのは、139分のものだけれど、完全版は177分。
カットされているのは踊りだとか、観たいような観たくないような。
ジョイランドシネマ沼津にて、10月
ロボット 公式サイト
# by habits-beignets | 2012-10-04 01:52 | シネマのこと | Comments(0)